2012年3月4日日曜日

鍼灸の混合診療と無料診療

混合診療とは、疾病に対する一連の医療行為において、保険診療と自費診療(保険外診療)を併用することです。

日本では混合診療を禁止しており、それを行った場合は、保険診療部分を含むすべての医療行為に関する費用が自費診療扱い(全額患者負担)となります。

混合診療の禁止は「保険診療でだれもが必要かつ適切な医療を受けられる」という国民皆保険の理念に基づいています。



それを解禁した場合の問題点としては、

①患者の支払能力の格差が医療内容の格差をもたらす
②安全性が確立されていない医療が横行する
③保険診療が低い水準に固定される
④不当な患者負担を増大させる

⑤医療資源の配分効率を低下させる


という事のようですが、法律に穴がありすぎて解禁できないという感じでしょうか。
政治的圧力の方が強いのかもしれせんが。


もちろん、鍼灸施術も混合治療は禁止です。

当初、厚生労働省は鍼灸治療を医療機関で行うことを禁止していましたが、近年は鍼灸治療は無料で行うならば健康保険法に抵触しないという見解です。



つまり、

①保険医療機関で無料で行う鍼灸は健康保険法に抵触しない
②保険診療の費用とともに鍼灸の費用を受け取ることは認められない


という事です。



厚生労働省は鍼灸をどのようなポジションに持っていきたいのか、何のために無料治療をよしとしたのか、腹のうちが知りたいところです。

医療機関での鍼灸の無料治療は鍼灸師にとっては今後問題になりうる出来事です。


一般的に治療を受ける側にとって、副作用もほぼ無いうえ通常では高額ともいえる鍼灸を医療機関で無料で受けられることはメリットです。
また、提供している側にも今後の利用価値を見出だしての事でしょう。


しかし、鍼灸師にとっては医師や看護師、その他の職種同様に仕事として行っている内容を無料でやるという事は納得いかないですね…。


現段階での厚生労働省の判断はbetterとは決して思えません。

鍼灸が医療機関内で用いられても、鍼灸師が活躍できることには直結していないように感じます。


今後、混合診療を含めた無料診療のありかたを厚生労働省がbetterな判断できることに期待…できればよいですが。

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