2012年3月27日火曜日

診療報酬不正50億円

先日(3月22日)こんな見出しを目にした方も多いと思います。

『愛知県と静岡県で療養型病院や老人介護施設などを運営する医療法人「豊岡会グループ」(本部・愛知県豊橋市、鈴木道生理事長)が、昨年度までの5年間に約50億円の診療報酬を不正に受給していたことが、21日分かった。
診療報酬の不正としては過去最大規模 で、厚生労働省が監査を行っている。同会は昨年10月、介護報酬で25億円の不正受給が発覚、愛知県などから行政処分を受けていた。
同会関係者によると、不正受給をしていたのは愛知県豊橋市と岡崎市、浜松市にある療養型病院4施設。
看護師数を水増しするなどして実際よりも高額な入院基本料を請求していたという。
同会は21日、「故意ではなく、認識が甘かった 。過大受給した全額は返済する」とコメントした。
厚労省は、処分について「保険医療機関の指定取り消しや、新たな申請ができないなどの勧告となる」としている。』

という内容。

診療報酬や健康保険の不正は取り締まりを強化してもらいたいところ。
税金の一部が経営者にまわっているのでしょうから。


自分自身が医療従事者側なので会社がしていれば自分の給料に還元されてしまっているわけで、第三者的な発言は間違っているかもしれませんが。


また、今回とはまた少し違うケースですが、身近で鍼灸整骨院で慰安マッサージで保険請求を目の当たりにしてきました。
これに関しては、無資格者プラス健康保険の不正請求と2つの事が絡んでいます。


鍼灸師という立場に立てば、これはなんとも言えないのですが、違法は違法。
街中にあるサロンを含めて、鍼灸師、あまし師、柔道整復師、無資格者それぞれにとって生活に関わる事ですし簡単にはいかないでしょうがきちんとしてほしい。


また機会をみて書こうかと思います。

2012年3月14日水曜日

鍼灸師とリハビリテーションの関わり

現在、リハビリテーションの診療報酬について、以下のように定めらています。

「医療機関でのリハビリテーションにおいて、理学療法に係る診療報酬上の取扱いについては、理学療法士が理学療法を行った場合を評価するのが原則である。ただし、理学療法士と同様の基礎的知識等を有するあん摩マッサージ指圧師が、運動療法機能訓練技師講習会を受講した上で、理学療法士の監視下で機能訓練を行った場合については、理学療法に係る所定の診療報酬点数を算定できることとしている。」

しかし、これに対して

「鍼灸師については、その有する基礎的知識等が理学療法士と基本的には異なることから、リハビリテーション科の標榜の有無に関わらず、鍼灸の施術に対して理学療法に係る所定点数を算定することはできないものであり、保険適用はない。」

というのが、厚生労働省の見解です。 

鍼灸師の資格だけでは、リハビリテーションを医療機関(保険診療)で関われる見通しはまだまだたっていないようです。

鍼灸で鎮痛や痙縮の抑制をする事はどの領域になるのでしょう。神経筋促通や神経路の再建に効果があるとしてもそれはリハビリ領域にはならないのでしょうか。


EBMがないのは物理療法や運動療法にも言えることであって、鍼灸だけ悪い方向で特別扱いされる必要はないと思うのですが。


鍼で脳が活性化するといった治療についてはまた別次元の話だと思うのですけどね。
私的にはその治療法も気になります。
少し探ってみよーかな(笑)

2012年3月4日日曜日

鍼灸の混合診療と無料診療

混合診療とは、疾病に対する一連の医療行為において、保険診療と自費診療(保険外診療)を併用することです。

日本では混合診療を禁止しており、それを行った場合は、保険診療部分を含むすべての医療行為に関する費用が自費診療扱い(全額患者負担)となります。

混合診療の禁止は「保険診療でだれもが必要かつ適切な医療を受けられる」という国民皆保険の理念に基づいています。



それを解禁した場合の問題点としては、

①患者の支払能力の格差が医療内容の格差をもたらす
②安全性が確立されていない医療が横行する
③保険診療が低い水準に固定される
④不当な患者負担を増大させる

⑤医療資源の配分効率を低下させる


という事のようですが、法律に穴がありすぎて解禁できないという感じでしょうか。
政治的圧力の方が強いのかもしれせんが。


もちろん、鍼灸施術も混合治療は禁止です。

当初、厚生労働省は鍼灸治療を医療機関で行うことを禁止していましたが、近年は鍼灸治療は無料で行うならば健康保険法に抵触しないという見解です。



つまり、

①保険医療機関で無料で行う鍼灸は健康保険法に抵触しない
②保険診療の費用とともに鍼灸の費用を受け取ることは認められない


という事です。



厚生労働省は鍼灸をどのようなポジションに持っていきたいのか、何のために無料治療をよしとしたのか、腹のうちが知りたいところです。

医療機関での鍼灸の無料治療は鍼灸師にとっては今後問題になりうる出来事です。


一般的に治療を受ける側にとって、副作用もほぼ無いうえ通常では高額ともいえる鍼灸を医療機関で無料で受けられることはメリットです。
また、提供している側にも今後の利用価値を見出だしての事でしょう。


しかし、鍼灸師にとっては医師や看護師、その他の職種同様に仕事として行っている内容を無料でやるという事は納得いかないですね…。


現段階での厚生労働省の判断はbetterとは決して思えません。

鍼灸が医療機関内で用いられても、鍼灸師が活躍できることには直結していないように感じます。


今後、混合診療を含めた無料診療のありかたを厚生労働省がbetterな判断できることに期待…できればよいですが。