2014年1月29日水曜日

TPPによる混合診療の解禁

さて、どうやらTPPによる『混合診療の全面解禁』の動向が少し落ち着いてきたみたいです。
混合診療については、以前の投稿にありますのでそちらをご参考に。


1月21日、規制改革会議は、患者がより有効な診療を受けられるようにするため、費用を全額負担しなくても「混合診療」を利用できる新たな仕組みを提言しました。
健康保険が適用される診療と適用されない診療を併用する「混合診療」を患者と医師が選択した場合、患者が費用を全額負担しなくても利用できる新たな仕組みという事です。

規制改革会議では、一定の手続きやルールの下で患者と医師が「混合診療」を選択した場合、保険が適用される診療分について、費用を負担しなくて済むかどうか、患者の症状などに応じて個別に判断することを検討していて、今年の3月に具体的に提言するとしています。
つまりは、「混合診療の全面解禁」ではなく「保険外併用療養の拡大」という事です。

では、「保険外併用療養の拡大」とは何か。
「保険外併用療養」とは、保険診療と保険外診療を同時に患者に提供することです。
「混合診療」は既に一部解禁されています。その仕組みが「保険外併用療養」であり、さらに「評価療養」と「
選定療養」に区別されています。


「評価療養(保険外併用療養)」:保険導入のための評価を行うもの
・先進医療(高度医療を含む)
・医薬品の治験に係る診療
・医療機器の治験に係る診療
・薬事法承認後で保険収載前の医薬品の使用
・薬事法承認後で保険収載前の医療機器の使用
・適応外の医薬品の使用
・適応外の医療機器の使用


「選定療養(保険外併用療養)」:保険導入を前提としないもの
・特別の療養環境(差額ベッド)
・歯科の金合金等
・金属床総義歯
・予約診療
・時間外診療
・大病院の初診
・小児う触の指導管理
・4大病院の再診
・180日以上の入院
・制限回数を超える医療行為



今回、規制改革会議の提言した「保険外併用療養の拡大」とは、「選定療養」を想定しているように思われます

「評価療養」ではなく、保険導入が前提にない「選定療養」であるとしたなら、本当に先進医療、高度医療、未
認可の医薬品使用を切に望んでいる人達にとって残念な結果となるでしょう。

さて、鍼灸師にとってはどうでしょうか。
「評価療養」と「選定療養」のどちらかに鍼灸治療が組み込まれない以上、特に今までと変わらない結果になりそうです。
...その確率が高いでしょう。